さて今回は、ロボット本体のハードウェアよりも大事なソフトウェア面、すなわちロボットの『モーション』についてお話しします。ちょっと難しいですが、二回に分けて一番簡単な作例でわかりやすくいきますのでおつきあい下さい。
今回は、とりあえず作成するモーションの目的と、最初の状態、それからモーション作りに使うソフトウェア『RobovieMaker2』の説明です。
ディーラーズルームの看板ロボとして使うことになったナッシュ君。しかし、ずっと電源入れっぱなしで立たせていては、バッテリーがぜんぜん保ちません。
そんなわけで動かさないときにはスイッチを切ってしまいたいわけですが、ホビーロボットは、立たせたままで電源を切ってしまうとちょっとしたショックで倒れてしまいます。なにしろ全ての関節にまったく力が入っていない状態なのですから。
そこで、動かさないときにはナッシュ君は座らせた状態で待機するようにしようと思いつきました。座った状態から立ち上がり、それから歩くなり挨拶するなりいろんなデモを始めるようにしようと思ったのです。
歩行やあいさつ、それにサッカーのシュートやバトルの横パンチなどのモーションは、キットにサンプルとして付いてくるので作らなくてもいいのですが、『座った状態から立ち上がる』『立っている状態から座る』モーションは自分で作るしかありません。ま、『歩行』モーションに比べれば格段に簡単そうだというのは、皆さんにもわかってもらえるでしょう。
ここでは、『座った状態から立ち上がる』モーションを例に、モーションの作り方をご説明いたします。

上画像が、モーションの最初の状態です。正座のような姿勢で、手の先は膝の上に乗せたような姿勢になっています。モーションはこの姿勢から直立姿勢にするのが目的です。

上画像はモーション作りに使う『RobovieMaker2』の画面です。
モーションはパラパラマンガあるいはアニメーションの原画を描くように作っていきます。要所要所のポーズを作り、そのポーズの間をどのくらいの時間(ステップ数)で動かすかを指定するのです。
画面の右側のフローチャートが、その各ポーズの流れを指定する部分です。1の赤丸を見れば、今はSTART直後の座った姿勢であることがわかります。黒く反転表示された四角いポーズブロックの左下の隅に数字が見えるでしょうか? これがステップ数。つまり前の姿勢からこのポーズブロックが表す姿勢まで移行する時間を表しています。この数字が大きくなればなるほどロボットの動きがゆっくりになるのです。
そして現在のポーズブロックの各関節の位置(つまりアニメーションのたとえで言えば原画の絵そのもの)を示しているのが、画面左側の部分です。スライダがいっぱい並んでいますが、今は赤丸を付けた部分に注目してください。
すべてのスライダが0になれば、ロボットは直立します。つまり今は赤丸を付けた関節=サーボが、それぞれのスライダが示しているだけの位置まで動いて、座った姿勢を作っているのです。
これらのスライダをマウスでドラッグして動かすことで、サーボを一つずつ動かしてロボットのポーズを変えることができます。
つまり一番単純に「座った姿勢」から「立った姿勢」になるモーションを作りたければ、このポーズブロックの次に全てのスライダが0になった「立った姿勢」のポーズブロックを作ってやれば完成。ということになります。
ところが現実はそう甘くありません。いろいろな条件を考えなければいけないのです。
そのあたりのことを、次回ご説明いたします。
続く。